Tripping with the G-SYSTEM - SUGIZO - Part 1
2009年3月 - 愛器TC2290のメンテナンスでTCグループ・ジャパンのオフィスに現れたSUGIZO氏は、多様化しつつあったライブ活動に対応する新しいサウンド・システムの候補にG-SYSTEMを挙げていることを明かしてくれた。

Custom Audio Japan社によって構築されたメインシステムは今後も引き続き使用していくが、海外公演や当時はサポート・メンバーだったX JAPANのライブ用に可搬性に優れたニュー・システムを必要としていたのだ。

そこでもっとも重要視されたのが - ディレイサウンド。SUGIZO氏の表現世界をつかさどるサウンドの要であるディレイを「絶対に妥協したくないから」と、白羽の矢がたったのがG-SYSTEMだった。

- 「SUGIZO」という「アーティスト」については、ここでは何も記すことはなかろう。本当に、文字通り「説明不要」 - 稀代のアーティストなのだ。

今回ご紹介するSUGIZO氏とのストーリーは、TC Electronicから最大のリスペクトを込めて、「ギタリスト・SUGIZO」の、しかも「ギターサウンド」のみにハイライトさせていただくことをお許し願いたい。
自らを「TC2290中毒患者」と呼ぶほど長年TC2290を表現ツールの中心的存在として昇華させていたSUGIZO氏にとっては、TCのディレイを使うことがもっとも自然だったという。


「ディレイは僕にとってもっとも重要なツール。2290ほど美しく輝きに満ちたディレイサウンドを僕は知りません。サブシステムといえど、ディレイだけは2290にできるだけ近づけたかった。あのディレイを簡易的なシステムに組み込むのは面倒なことなのかもしれない。でもそこを妥協せずにこだわるのはすごく重要なこと。」

とSUGIZO氏は語ってくれた。

「可搬性を考慮したシステムで、空間がとっちらからない音質、というとG-SYSTEMがいいのではないかと思って。G-SYSTEMは発売された当初から気になってました。なによりこのデザインが美しいですし。」


2009年4月

折りしもX JAPANのコンサートも日程が確定しており、ステージ設計の都合により、ニュー・システムの構築が急務となった時だったため、早速デモ機でシステムを組み、チェックしていただいた。

場所は芝浦スタジオ


▲今回使用された芝浦スタジオ/503 Studio

X JAPANはあまり空間系を多用しないサウンドが多く、アンプのスイッチングと、SUGIZO氏いわく「絶対に外せない」Providence製Ring Modulatorをソロのサウンドにインテグレートするのが最大のポイントであった。

Ring ModulatorをG-SYSTEMのループ2に組み込み、ソロ用のプリセット全てにアサイン。

足元にはボリューム・ペダルと、ループに組んだワウ、Whammyなどをセッティングし、ループのOn/Offをプリセットに保存したセッティングをデフォルトとして組んだ状態でチェックはスタート。

当日用意されていたアンプはBogner改のビンテージMarshallヘッドと、DiezelのVH-4。キャビネットはここ数年愛用しているFenderの4発キャビネットが2台。

「この2台のキャビはまったく同じモデルなんですが、やはり経年変化もあってなのか微妙に音色が違う。できれば一台はドライ音、もう一台はディレイのウェット音で鳴らしたいのですが可能でしょうか?」

というのが当日SUGIZO氏から依頼された内容だった。



3ウェイ・システム(モノラル x ドライ音、ステレオ x ウェット音のシステム)を検証したときに発覚していた、G-SYSTEMのシグナル・フローにおいてはインサート後のミュート、ボリューム・コントロールとなるため、ドライ音が常に出力されっぱなしになってしまう旨をお伝えし、ソフトウェアの改善でできるようになるまではインサートのセンドからアンプのインプットに接続する間に別途ボリューム・ペダルを挿さないといけないことをご説明した。



それならば、と通常のステレオ・セットアップにて今回は「我慢」していただくこととなった。

しばしX JAPANのギターパートを弾きながら、ギターやアンプのセッティングを変えたり、プリセット・コントロールも含めて極めてシビアなチェックをしていくSUGIZO氏。さながらG-SYSTEMと自身の相性を確かめているようにも見えた。

峻烈なパッセージから、飛翔していくかのようなロングチョーキング・ノート、クリーントーンで紡いだメロディラインやアルペジオ、それらを「鳴らしきった」アンプの極上なトーンで次々と繰り出し、60畳の空間を自分の空間へと変えていく。

その間も細かなディレイタイムやドライブサウンドのセッティングについて的確な指示を出していく。

そうしてこのG-SYSTEMはどんどんSUGIZO氏のパートナーになっていった。

「Volume Pedalの反応が僕にはちょっと遅いけど、他はこれでまったく問題ありません。アンプの音が劣化している感触もないし、VH-4のチャンネルスイッチングもできる。G-SYSTEMのワーミーは歪みの前に移動するのはソフトウェア上で出来ないんですよね・・・。僕は普通ではないかもしれないけれど、やはり歪みの前にワーミーをかけたサウンドが好きなので、G-SYSTEM内部のものではなく、Digitech Whammy2を使います。」

時間的な制約もあり、東京ドームでのコンサートではこのデモシステムを使用し、本格的にセットアップを組むのはきっちりミーティングをして後日、ということとなった。

「さすがにディレイはすばらしい。安心しました。これから使用頻度が一番高くなるシステムになると思います。」

- 最高の評価をいただいた。

「ニュー・システムを考案し始めた当初は、ループスイッチャーとコンパクトペダルを使い、フロアボードで完結するシステム、というアイデアもありました。しかし、やはりそれでは音質的にも機能的にも限界が出てきてしまい、結果的にかなり大がかりなフロアボードになってしまう。G-SYSTEMは、『システムのダウン・サイジング』という目標をクリアしながら、メイン・システムに匹敵する柔軟性を確保できますね。Violinやガットギターもこのシステムに組み込めればさらに美しい。」

次回のストーリーでは、SUGIZO氏のG-SYSTEMを使用したニュー・システムの全貌を紹介する。

Part 2に続く・・・


SUGIZO - Tripping with the G-SYSTEM

Part 01 | Part 02 | Part 03

SUGIZO - Official Website / G-SYSTEM - 製品情報ページ