DEPAPEPE/徳岡慶也氏、G-Natural - 導入ストーリー
DEPAPEPE - 今や日本を代表するアコースティックインストギターデュオで、その爽やかなギターアンサンブルは幅広い分野で高い評価を受けており、コマーシャルや様々なテーマソングなどを通して、国内外問わず多くの人々を魅了し続けている。

そんなDEPAPEPEのギタリスト、徳岡慶也氏に夏のツアー前の多忙な時期にもかかわらず、氏が2009年より愛用しているG-Naturalについてインタビューする貴重な機会をいただいた。

多くのアコースティック・ギタリストにとって刺激になれば、という徳岡氏の希望に沿うストーリーになれば幸甚である。

DEPAPEPE - オフィシャル・ウェブサイト
G-Natural - 製品情報ページ

●アコギに合うエフェクターです
TC:本日は貴重なお時間をいただいて誠にありがとうございます。多くのギタリストが徳岡さんのギターサウンドについて興味を持っていると思いますが、今日は機材メーカーのインタビューということで、かなりディープな機材談義になることをお許しください。

徳岡氏:僕もまだまだ勉強中ですのでどのくらい参考になるかは分かりませんが、分かることは全てお話ししたいと思います。よく公演前後に僕の機材を見に来るお客様がいらっしゃるので、みなさんご関心はあるのかな、と思います。

TC:それではさっそくですが、徳岡さんがG-Naturalを導入する前はどのようなエフェクターをご使用になられてたのでしょうか?

徳岡氏:確か3年ほど前ですが、当時はFishman製のリバーブとディレイのペダルを使っていました。やはりアコースティックギターに特化して作られているメーカーのエフェクターですので信頼性がありますし、自然と使ってました。ただ、曲によってセッティングの違うディレイやリバーブを使い分ける必要があって、その都度ツマミを変えないといけなかったんです。ペダルに色んな印をつけたりして、必要に応じてそこにダイアルする、ということをしていました。曲の途中で変えることもできませんでしたし、そのやり方だと色々表現しきれない箇所が出てきてしまい、何かいい方法はないかな、と機材を見直していたんです。それで神戸にあるリードマンというショップの中山さんにギターの件で色々と相談していて、「こんなのもあるよ」と紹介されたのがきっかけで、使ってみたらすごく良かったんです。まずリバーブの音質にびっくりしました。

TC:確か徳岡さんはリードマンさんの取り扱っているギターを使ってましたよね?

徳岡氏:そうです。K-Countryというブランドのギターです。僕のシグネイチャーモデルを作ってもらったのがきっかけで、ギター回りのことを色々と相談させてもらっているんです。

TC:G-Naturalはリバーブとして使っているのですか?

徳岡氏:リバーブとメロディラインを弾く時のディレイがメインですが、他にオクターバーも時々使います。僕はメロディを弾く場面が多いので、ディレイをかけて、サスティンや広がりを感じさせるような使い方が多いですね。もともとはエレキ出身なので、ソロにディレイをかける、ということに対して他のアコースティック・ギタリストよりもハードルが低かったんです。G-Naturalは専用機だけあって、ディレイやリバーブがものすごくアコースティック・ギターに合ってますよね。ちゃんと密度を感じる、というか。ナチュラルだから弾いていて、すごく気持ちがいいんです。

TC:G-Naturalは、エレキ用に出しているエフェクターとはアルゴリズムをちょっと変えているんです。アコースティック・ギターは周波数レンジがものすごく広いので、エレキ用のリバーブやディレイだと、どうしてもアコースティック・ギターの倍音部分にエフェクトが乗りづらいんですよね。TCはリバーブやディレイに関しては大変なこだわりがあって、よく「パラメーター多過ぎ」と言われます。(笑)

徳岡氏:G-Naturalのパラメーターは本当に深くて、まだまだ勉強中ですが、色んなエンジニアさんからのアドバイスを受けて、最近やっと分かってきました。

TC:リバーブやディレイのセッティングで重要なのは、低音成分の取り扱いだとよく言われます。もし会場に入って、ちょっとニュアンスに納得いかない部分があれば、「Color」パラメーターをいじると印象が変わるかも知れません。

徳岡氏:なるほど、今度試してみます!あと、今度コンプを研究したいと思っているんです。僕の敬愛するギタリスト、梶原順さんからオススメされたので。アコースティックギターはダイナミックレンジが広くて、そこで抑揚をつけることができるのですが、メロディラインを弾く時は抜けを良くしたいし、緩やかなラインだったりすると、もう少しサスティンが欲しい時もあるんです。また色々教えてください。


●PAエンジニアとのコミュニケーション
TC:会場入りして、サウンドチェックの時にG-Naturalのセッティングを変更することもありますか?

徳岡氏:しますよ。会場の空間やスピーカーによって響きが全然違うので。自分で自分の音をコントロールできるところがやはりG-Naturalのいいところで、自分が伝えたいものができるだけダイレクトに伝わる音質にしておきたいと思ってるんです。もちろんなるべく現場でいじらないで済むように、あらかじめプリセットを組んでいますけど、ディレイやリバーブのかかり具合は多少いじることがあります。

TC:PAエンジニアさんは嫌がらないですか?

徳岡氏:人にもよりますよね。僕が自分の出音に対してこだわりがあるのと同じようにPAエンジニアさんには外音に対してこだわりがある、というのも分かりますし。でも幸運にも僕の周りには「アーティストのいいように、が一番」という見方をしてくれるエンジニアさんが多くて、自分の要求を色々言っても大丈夫なことが多いです。あとはなるべくPAエンジニアさんに余計なトラブルをかけたくないので、大体「このまま出して欲しい」と伝えています。

TC:ライブはPAエンジニアさんと一緒に作るものですからちゃんとコミュニケーションするのは大事ですよね。ライブではどんなところを大切にしていらっしゃるのでしょうか?

徳岡氏:やっぱりライブに来ていただいて、それがもし初めて僕たちを見てくれた人たちだとしたら、帰り道で印象に残っているのが「いい音だったね」ではなく、「楽しかったね」であって欲しいんです。そういう意味で僕たち自身が楽しめる環境を作るのがまず大事だと思っています。自分たちのイメージした通りに伝わっている、という感触がないと楽しめないし、それがひいてはライブ全体の印象としてお客さんに残ってしまう。だから僕たちが楽しめる音質でライブすることがすごく重要なんです。

TC:そうですよね。ライブはアーティストのリアルな感じがダイレクトに伝わりますし、それが醍醐味とも言えますからね。

徳岡氏:そうですね。ただ中音の自己満足だけではだめなのも分かっているので、PAエンジニアさんとのコミュニケーションは大事ですよね。

TC:ライブ時のセッティングで注意している点、パラメーターをいじる時に気をつけている点はありますか?

徳岡氏:会場での鳴り具合の他に気をつけているのは、相方(三浦氏)とのバランスですね。特にソロからバッキングに戻る時の感触というか。ソロの時にはディレイがかかっていて、バッキングの時にはディレイがオフになり、リバーブだけになります。相方はほとんどノーエフェクトですので、二人でバッキングになった時、僕のリバーブが相方と違う距離感にならないように気をつけています。サウンドチェック時にPAエンジニアの方が外音を聞いて、二人のバランスを取るために相方のギターにもリバーブをかけていることもあります。アコースティック・ギターなんで距離感が顕著に出やすいんですよね。これはエフェクターに限らず、ギター本体もそうなんですが、一人で弾いた時にはすばらしい音でも、DEPAPEPEでは合わない、ということはしょっちゅうあります。

TC:それぞれのアコギ観みたいなものもありますし難しいですよね。

徳岡氏:大会場で大きな音でPAすればするほどその違いははっきり分かるようになるので、特に気をつけてます。会場のサイズでリバーブを控えめにしたり、大きくしたり、ということが多いですかね。いつもお世話になっている、エンジニアさんから「ミックスは浅めで、ディケイ・タイムの長さで調整するといい」と言われたことがあり、その教えを守っています。(笑)

TC:リバーブは奥が深いですよね。

徳岡氏:いいリバーブだと本当に気持ちよく弾けますよね。

TC:逆にG-Naturalで不満な点などありましたらお聞かせいただけますか?

徳岡氏:不満な点というほどでもないのですが、キャノン端子のアウトプットがあったらいいな、ぐらいですかね。今は卓に直接立ち上げることはしていないのですが、DIを通さず、というのを今度試してみたいと思っています。やっぱり色々なものを通せば通すだけ音が変わっていってしまうと思うので。

TC:それではこれからG-Naturalを使おうと思っている人たちに何かアドバイスをいただけますか?

徳岡氏:とにかくアコギに合うエフェクターですので、是非試してみて欲しいです。それで是非ライブで使ってみて欲しいですね。やっぱりライブだと音質の良さが良く分かりますよ。楽しんでください!

TC:本日はお忙しいところ誠にありがとうございました!