KenKen - Blacksmith + TonePrintセッション・ストーリー





●「止めてね。じゃないと俺これ一日中やりそうだから(笑)」

雨の降る4月某日。

都内のスタジオにてWAGDUG FUTURISTIC UNITYのリハーサルがあるとのことで、その前の時間をもらって念願のKenKenのTonePrint制作セッションの機会を得た。

「せっかくだから、僕がいつも使っているセッティングでやろうよ」とのKenKen本人の提案で、愛用のBlacksmithRS410の組み合わせでやることに。

「TCのアンプ、どこに行ってもいい音って言われるよ。トラブルもないし、ほんとありがたい」

使い始めて早3年以上が経過している上に、メインであるRIZEの他Dragon Ashを始め多数のバンドでプレイしているため、かなり気合の入ったフライトケースになっている。セッティングが終わり、ツマミ類を迷いなく調整しながらスタジオの音響空間に合わせて音を作りこんでいく。

あっという間に代名詞とも言うべき「コシのある早いスラップ」サウンドが部屋を揺らし始めた。

そうしてKenKenとのTonePrint作成セッションは始まった。

KenKen - Vortex Flanger用TonePrint制作セッション
KenKen - Corona Chorus用TonePrint制作セッション
KenKen - Flashback Delay用TonePrint制作セッション
KenKen - ベースとエフェクトについて
KenKen - TCベースアンプ製品について
KenKen - プロフィール/TC使用機材
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●Vortex Flanger
「あまりベースにフランジャー使ってる人っていないよね」と言いながらツマミを振り回し始めたその直後、いきなりトリップ感を刺激するサウンドが飛び出した。「おおお!合うね。合うじゃん!ああ、でもこのサウンドは"偶然出る"系の音だよね。一周して戻ってきて欲しい」

フランジャーの特性でもあるディレイの掛け合いにより得られるいわゆるジェットサウンドだが、TCのそれは、入ってきた音とフィードバックする回数が少ない間だけしか出ない音があり、弾きつづけてしまうとフィードバック回数が多くなり、最初の太いジェットに戻れないのだ。

「あ、でもこの辺いい感じだね」

ツマミを回し、スラップや高速フィンガリングフレーズを弾きながら感性に訴えかけるサウンドを探すKenKen。Hi Cut設定と、エフェクトMIX量はPCから調整できる旨を説明すると「そうなの?見せて見せて」と食いついてくる。あまりイメージにないかもしれないが、KenKenはこうしたパラメーターにも意外と精通している。

「ほんとだ。僕もエディット画面見ながらやっていい?」

座る場所を変えて、自分も画面が見えるようにして再度スタート。

「確かにちょっとHi-Cut入れた方がいいね」
「うおー。この辺もすごいね」

様々なフレーズを試しながらサウンドを探して行く。KenKenの演奏を聴いている側は超絶トリッピーだ。

「止めてね。じゃないと俺これ一日中やってるかも(笑)」

3種類のVortex用TonePrintを作成して、今度はCorona Chorusへ。

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●Corona Chorus
「コーラスはピッチが揺れるから難しいんだよ。でもやっぱりTCのコーラスはきれいだね」

TCのコーラスは派手にかけることを想定して作られておらず、スタンダードな音色の中に収まる場合が多い。

「コーラスをかけるとどうしてもこのフレーズが・・・(苦笑)」

かのシアトルのグランジ・ムーブメントを起こした某バンドの名曲を弾きはじめるKenKen。コーラスになるとスラップではなく、自然とコードやメロディ感の強いフレーズなどが多くなる。

「これ結構面白いね。コードで遊ぶと面白いかも」と言い、かなり早い揺れのサウンドを作ってくれた。

「後はこのオーソドックスなコーラス・サウンドも使えると思うのでセーブしよう」

2種類のコーラスTonePrintを作成。

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●Flashback Delay
ディレイは普段から使い慣れているのか、真っ先にTapeモードをセレクトし、あっという間に一つ目のTonePrint完成。

「まずは、みんな好きだと思うこのTape Delayのロングね。これは良く自分も使うよ」

どんどんモードを切り替えていき、ツマミを振り回して多彩な音色を作っては弾き、作っては弾きと繰り返していく。まさにイマジネーションを解放して楽しんでいる様子。フレーズも実に多彩で、スラップでダブ的なグルーブを楽しんだと思ったら、コードやメロディ・フレーズを情感たっぷりに弾いてみる。効果音のような音を繰り返し、他の楽器パートが入ってくるイメージを膨らませたり、忙しく音で遊んでいく。

「これがRIZEで使っているディレイかな」といって2290モードでおなじみのフレーズを弾いていたので、膨らんでいる低域をすっきりさせるLow-Cutを提案。

「そうか、エディターで調整できるんだっけ・・・・おおお!素晴らしい!これならもっとディレイレベル上げて、フィードバックも上げられるかな・・おおお、いいね!ミドルの抜けがちゃんと出るし、引っ掛けやすい」

そのまま「RIZE Slap」という名称でセーブ。

「このロボットみたいなの、絶対楽しいよね。こういうの作った人いるのかなー」
「やばいね。ディレイはやっぱ楽しい」

イマジネーションを刺激するTonePrintが6種類できた。

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●TonePrint制作セッションを終えて
「ベースにエフェクト」と言えば歪み系エフェクトを真っ先に思い浮かべる人が大半であろう。
実際、ディレイやフランジャーなどの空間系エフェクトをベースにかける人はそこまで多くない。
そのような風潮の中で、KenKenは積極的に空間系エフェクトをプレイに導入しているユニークなプレイヤーでもある。
そんなKenKenに、ベースにエフェクトをかけることに対する考えを聞いてみた。

「ベースはこうじゃなきゃいけないって言うような人に限ってグルーヴしてなかったりするんだよね。ベースにエフェクトをかけることを邪道みたいに思う人もいるけど、大事なのはグルーヴだし、それが出せてるなら何やったっていいと思う。

今回のようなコンパクトペダル・タイプだと直感的にサウンドを調整していきながら面白い音が出せるし、イマジネーションが解き放たれるから、どんどん使ってみたらいいと思う。バンドにとっても刺激になると思うしね。

TCのペダルは、今回Low-Cutで低域をすっきりさせたみたいに、自分のオリジナル・トーンとして細かく調整ができるからすごいよね。ペダルの常識を覆してくれた、というか、ペダルでもスタジオ機材みたいな感じで使える。スマホからビームで音色切り替えもできるんでしょ?超クールだよね。俺はガラケーだからできないけど。。。(涙)そのオモチャ感と、できることの凄さのギャップが面白い。」




●KenKenとTCベースアンプ
KenKenは、TC Electronic社がベースアンプを発表して間もない時期から製品を導入しているベテラン・ユーザー。
最後に、KenKenにTCベースアンプについて幾つか質問をさせてもらった。

1. ベースアンプは、プリセットの使い分けなど、どのように運用されていますか?
Blacksmithをメインに、RIZEで主に使用しているよ。3つのプリセットは・・・

1)ATELIER-Zベースに合わせたセッティング
2)ウッドベースに合わせたセッティング
3)Dragon Ashなど他のバンドで使うセッティング

という感じで、使うベースだったり、演奏するバンドのサウンドによって使い分けているね。

2. 今のBlacksmith + RS410のセットになって、ライブでの感触や弾き方など、変わった点はありますか?
まずライブで使用していてトラブルが少なく、安定性が素晴らしいよね。安心して演奏に集中できるので、心の余裕ができる。サウンド面では、音の立ち上がりが早いからミドルが奇麗に出るようになり、スラップのゴーストノートを良く使うようになったよ。あとラインの音が非常にナチュラルで良いので、よく使っている。レコーディングでは、ヘッドだけスタジオに持ち込んで、プリプロから使ってそのまま採用されることもある。

3. 今のセットで一番気に入っている、または使っている機能は何ですか?
さっき話したように、ラインの音が凄く気に入っているんだ。その結果、DIを使わなくなった。チューナー機能は、目線と同じ高さでチューニングできるから、ステージ上で素早くチューニングができて重宝しているよ。

4. TCのセットはKenKenに何をもたらせることができていますか?
日本で一番クリアで良い音を出している自信。スタッフや多くのミュージシャンにもそのことを言われるので、実績としての自信があるんだ。ベースのサウンドとしても、唯一無二の音を出せていると思うよ。



●KenKen - プロフィール
RIZE, KenKen of INVADERS, WAGDUG FUTURISTIC UNITY, Dragon Ash, and other various artists
小学生でベースに出会い、中学生の頃から数々のセッションを重ね、10代とは思えぬテクニックとグルーヴ、そしてその特異な存在感が評判となる。ロックバンド『RIZE』に加入後は、ベース&ヴォーカルとして圧倒的なパフォーマンスを魅せつけ、ジャンルレスな自身のバンド『KenKen of INVADERS』ではモッシュピットをダンスフロアにかえる幅広い音楽性を持つ。Dragon Ashをはじめとするアーティスト・サポートも数多くこなし、本田圭佑選手が出演する「アクエリアス スパークリングレモン」のCM音楽担当など、コンポーザーとしても幅広く活躍。ドイツ/フランクフルトで行われた世界最大級の楽器ショー「Frankfurt MusikMesse」にてベースパフォーマンスを敢行し、ドイツのベースマガジンにて「Japanese Bass Sensation」として紹介される。現在iPhoneアプリ「KenKenが教えるベースギター#1」をApp Storeで発売中。

KenKen使用TCギア
Blacksmith:ベース用アンプヘッド
RH750:ベース用アンプヘッド
RS410:4 x 10インチ/ベース用キャビネット
PolyTune:ポリフォニック・チューナー
Flashback:コンパクト・ディレイ
Vortex:コンパクト・フランジャー
Corona:コンパクト・コーラス
Ditto:ルーパー・ペダル

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